水耕栽培と土耕栽培、なるべく同じ条件で水菜を育てて分析し、含まれるミネラル成分を比較します!(最終回)


新年あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いいたします。

ってもうそんな時期じゃなくなっちゃいましたね。
2015年内に完結する予定だったんですが、急遽市販品の水菜や液体肥料そのものの追加測定をお願いしたりしていたためずるずると延びてしまったんです。
年末年始でだらけていたわけじゃ無いですよ、ほんとですって!

・・・

さて、誰に向けたのかもわからない言い訳はこれ位にして、(ヤギー的に)本年最初の記事は水耕栽培と土耕栽培の比較企画8回目です。
前回は分析に使用する葉っぱの採取までをお伝えしましたので、今回はその後の分析の様子をお伝えした後、分析結果を発表いたします!

それでは早速参りましょう。
まずは今回分析を担当してくれるキターノ氏の手により、採取した葉っぱは事務室から分析室へと運ばれました。

分析の様子

分析室に運ばれた水菜の葉っぱは、水洗いの後水気を十分にふき取り、密閉容器に酸と葉っぱを入れて溶けるまで数時間放置します。いわゆる前処理というやつですね。
まず容器に葉っぱを入れます

容器の中はこんな感じ。
続いて酸を加えて数時間放置します

・・・
・・

はい、4時間ほど経過しました。
溶けたか確認するというので実験室に行ってみると、ドラフト内で容器が開封されるのを待っています。
早速開封をお願いしたところ、蓋を開けると同時にもわっと煙が立ち上りました。
その瞬間はきっちり激写した「はず」だったのですが、びっくりするくらい煙が写っていませんね・・・
数時間後、ドラフト内で容器を開けてみると・・・

気を取り直して容器の中を見せてもらうとこの通り。
先ほどの写真に写っていた葉っぱは見る影もありません。
この通り、跡形も無く綺麗に溶けました

続いて、この酸溶液を機械にかけやすいようにピペットで別の容器に移し替えます。
なぜ容器が三つなの?
と思った方もいるかと思いますが、「水」と書いてあるものは水耕区画で育てた葉っぱを溶かしたもの、「土」と書いてあるものは土耕区画で育てたものを溶かしたもの、もう一つ「BL」と書いてあるものはブランクです。

「BL」で反応したあなた、自重しましょう。
「BL」って何なん?と思ったあなた。会社での調査は頭痛が痛い並に危険がデンジャーな行為です。ご自宅でどうぞ。
ブランクと水耕と土耕で三種類です

それはさておき。
これで前処理は全て完了、後は分析を待つばかりです。
さぁ、分析開始です!

前回はICP-MSで分析すると書きましたが、あらためてキターノ氏に確認したところ今回はICP-OESを利用するとのこと。
この写真の後ろに写っている機械がそれですね。

ちなみに、ICP-MSもICP-OESも構成元素を調べたい時に使う装置ですが、ICP-MSのほうがより微量な元素を調べる時に使うんだそうです。
ICP-MSで分析中・・・

装置で分析した結果はこんな感じで画面に表示されます。
これをキターノ氏にまとめてもらうのです。
測定結果はこんな感じで表示されます

分析の結果

さて、それではいよいよ結果発表です。
当初は水耕栽培と土耕栽培の水菜を分析するだけの予定でしたが、後になって急遽追加で市販品の水菜と液体肥料についても測定してもらっています。
一覧表に纏めましたので、まずは測定値をご覧ください。

・分析方法:半定量分析
・表中の元素は、測定値が1ppm以上でピークが見えたもののみを抽出

ICP-OES による水菜(市販品、水栽培、土栽培)と液体肥料の成分分析結果 単位(ppm)
検出元素 市販品 水耕栽培 土耕栽培 液体肥料
Al(アルミニウム) 14 <1 <1 <1
B(ホウ素) 2 3 4 17
Ba(バリウム) <1 <1 3 <1
Ca(カルシウム) 1500 370 270 200
Cu(銅) <1 <1 1 <1
Fe(鉄) 12 9 3 390
K(カリウム) 2600 2500 2400 19000
Mg(マグネシウム) 230 230 200 270
Mn(マンガン) 2 1 3 11
Na(ナトリウム) 190 180 150 1100
P(リン) 350 1300 540 41000
Rb(ルビジウム) 2 <1 <1 11
S(硫黄) 600 680 380 710
Si(ケイ素) 15 37 17 6
Sr(ストロンチウム) 2 2 4 <1
Ti(チタン) 1 <1 <1 <1
Zn(亜鉛) 1 4 16 5

まず、水耕栽培と土耕栽培を比べてみると、水耕栽培のほうが鉄、リン、硫黄、ケイ素の数値が良く、土耕栽培のほうは亜鉛の数値が良いですね。それ以外は大きな違いは無いでしょうか。全体的に液体肥料の特徴がそのままでているように見えますね。

事前に収集した情報では、全体的に土耕栽培のほうが栄養価が高く液体肥料に含まれる一部成分だけ水耕栽培のほうが高くなるかと推測していたのですが、思っていたよりも大きな違いはでませんでした。

 

続いて近所のスーパーで校長が調達してきた市販品と比べてみましょう。
通常水菜は「カルシウム」と「鉄分」が多く含まれている葉野菜です。
それを踏まえてもう一度この結果をご覧ください。

いかがでしょうか。市販品に比べどちらもカルシウムの値がかなり低く、水菜の特徴を消すことに成功してしまっています。水耕栽培のリンの値は市販品の4倍近い数値をたたき出しているんですが、水菜の特徴を消してしまっては何の自慢にもなりませんね。

液体肥料一本で育てたせいでしょうか、見た目は一緒なんですけどねぇ・・・

まとめ

この企画の目的は
「土耕栽培と水耕栽培で、含まれるミネラル量に違いは出るのか?」
を確認することにあったわけですが、ここまでの結果から、水耕栽培も土耕栽培も目立った違いはでないことがわかりました。市販品のほうが全体的に優れているところから、肥料の配合や与えるタイミング、一度に与える量など農業に関する経験値のほうが遥かに重要だと思われます。

当たり前と言われればそれまでですが、こだわってあげないと違いは出ませんよってことなんでしょうね。

最後に、今回水菜の栽培にかかった費用と期間などをまとめておきますので、興味の有る方はぜひ卓上水耕栽培に挑戦してみてください。

 

費用

今回かかった費用は以下の通りです。水道代などはカウントしていません。
  容器      100円(100均でみつけた小物入れ)
  肥料      698円(液体肥料の原液800ml)
  水菜の種    100円(100均で購入)
  食器用スポンジ  20円(1個あたり)
—————————————————————
  計       918円

期間

今回は10月上旬に種を蒔き、12月中旬、約2ヶ月半で収穫しています。
この間に丈は27cmほどまで成長しました。水が凍らない地域であれば真冬に種を蒔いても(発芽さえすれば)問題無く成長するかと思います。

水耕区画の初期設定

1.容器に収まるサイズにスポンジをカットします。
2.容器にスポンジをセットします。
3.スポンジ中央にハサミで1cmほどの切り込みをいれます。
4.切り込みに種を2~3粒落とします。
5.スポンジ上面から2mmほど下のあたりまで水道水を注ぎ、窓際など一番陽あたりの良い場所に置きます。

あとはこのまま置いておくだけです。
一週間もすれば芽を出すことと思います。

発芽後は2~3日おきに様子をチェックして、水位が下がってきたら水を足し(1週 or 2週に1回は水を交換したほうがいいかと思います)つつ、使用方法に従って肥料を与えてください。

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ヤギー

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<お仕事>シルラボのweb担当   <専門> web系エンジニア  <趣味>ネット、Androidアプリ開発、自転車、将棋、写真  <特徴>燃えあがれ!我が内臓脂肪!!
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