ミクロの世界~こすると消えるボールペン~


明けましておめでとうございます。
本年もシルラボをよろしくお願いいたします。

さて、2016年最初のシルラボリソースは消せるボールペンについてです。

この消せるボールペン、間違って書いても付属のラバーでこすると、あら不思議、文字が消えるのです。

文字が消える仕組みを調べてみました。
インクには発色剤と顕色剤が含まれており、これがくっつくことにより色が現れます。
その他に、発色剤と顕色剤を引き離す変色温度調整剤というものも含まれています。
ある温度以上になると変色温度調整剤が顕色剤とくっつくため、発色剤は顕色剤とくっつかなくなり無色になります。
そして、それより相当低い温度にならると復活する、というものらしいです。
ラバーでこすることにより摩擦熱が生じて文字が消えるのですね。

 

さて、実際に消せるボールペンで文字を書いてみました。消せるボールペン-1

 

そしてラバーでこすってみました。
消せるボールペン-2
簡単に文字が消えました。

 

温度が高くなると文字が消えるなら、ドライヤーの温風でも消えるはず。
やってみました。
消せるボールペンをドライヤーで乾かしてみると・・・
ラバーでこする時より時間が掛かりましたが、文字が消えました。

 

次は消えた文字を復活させてみました。

相当低い温度が分からなかったので、液体窒素を使用しました。
液体窒素は-196℃なのでかなり温度が低いです。

消せるボールペン-4
文字を消した紙を液体窒素に入れて・・・。

 

消せるボールペン-5
おおー!文字が復活しました。

 

温度が低くなると文字が復活する、ということはインク成分は文字が消えていても紙に付着している、ということですよね。

それでは、そのことを確認するために電子顕微鏡(SEM)で観察してみましょう。

 

まずは文字を消していない部分です。
消せるボールペンのSEM写真-1
丸いものがたくさん観察出来ました。
なめこみたいですねー。

 

次はドライヤーで文字を消した部分です。
消せるボールペンのSEM写真-2
消す前と同じように丸いものがたくさん観察できました。
ただし、消す前と比較すると少し様子が違うような・・・・?
よく見ると丸いもの同士が、膜のようなものでくっついているように見えます。

 

 

そして液体窒素で冷やして、文字を復活させたものも観察しました。
消せるボールペンのSEM写真-3
文字を消した部分と比較すると膜のようなものがほとんど無くなりました。

この膜のようなものが、温度による発色に関係しているのでしょうかね。

これで、予想通り消せるボールペンで書いた文字を消しても、インク成分は残っているということが分かりましたね。

 

シーナはよく書き間違えをするので、このボールペンは便利です。
文字を間違って書いても消せるので紙の無駄が減るかもしれませんね。

 

シーナは過去の失敗を消して無かったことにするボールペンが発売されればいいのになー、と思っています。
どなたか開発してください!!

大ヒット間違いないですよ。

 

 

 

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シーナ

シーナ

<お仕事>シルラボの電子顕微鏡観察担当<専門> SEM/EDX、IRを使用した異物の調査<趣味>国内外旅行、食べ歩き<特徴>ちょっと茨城弁が強い、喋ると残念な人らしい・・・<最近の出来事>虫を見ると捕まえてついSEM観察してしまうので、虫が寄って来なくなった
シーナ

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<お仕事>シルラボの電子顕微鏡観察担当<専門> SEM/EDX、IRを使用した異物の調査<趣味>国内外旅行、食べ歩き<特徴>ちょっと茨城弁が強い、喋ると残念な人らしい・・・<最近の出来事>虫を見ると捕まえてついSEM観察してしまうので、虫が寄って来なくなった

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