ミクロの世界~ボールペンのボール~
こんにちは、シーナです。
前回のシルラボリソースではこすると消えるボールペンについて書いたところ、ヤギーさんからこんなリクエストがありました。
”ボールペンって、ペン先にボールがあるからボールペンって名前ですよね?でも、ボールペンのボールを見たことがないのでSEM(電子顕微鏡)写真を撮って下さい”
そういえば、シーナも見たことないなあ。
よし、SEM(電子顕微鏡)で見てみましょう。
ボールペンはシーナの持っているインク切れのZ社とP社のボールペンを使用しました。
まずはZ社のボールペンです。
ペン先にボールがありますね。直径は0.5mm位です。
更にボール部分を拡大しました。
表面はツルツルなのかと思ったら、拡大するとザラザラしているように見えます。
次はP社のボールペンです。
Z社とあまり違いはないようです。
こちらも更にボール部分を拡大しました。
あっ!Z社と比較すると表面がツルツルしていますね。
この表面のザラツルの違いで使用感が異なるのかしら?
表面のザラツル感が違うということは、素材自体が違うのかな?
ということで、次にボールの元素分析を実施しました。
まずはZ社のボールペンです。
次はP社のボールペンです。
Z社とP社で検出元素に違いはなさそうです。
タングステン(W)と炭素(C)、コバルト(Co)が主に検出しています。
また、クロム(Cr)や酸素(O)も少量検出しています。
この結果からボールの材料を調べてみたところ、タングステンカーバイドに結合剤としてコバルトとクロムが入っているようですね。
これは超硬合金というすごく硬いものです。すごく硬いのでドリルなどの工具にも使用されます。
この硬いボールが転がることによりインクがでて文字が書ける仕組みらしいですが、もし10cmの線を引いたら何回ボールが転がるのかなあ?
計算してみました。えーと、
直径が約0.5mmの場合、1周したときの長さが0.5mm×3.14=1.57mmだから、
10cmの場合は100mm÷1.57mm=63.7
約64回転ですね。
たかが10cmの線を引くだけでもそんなに回転しているとは!
ボールペンって意外と働き者なのね。
寒くなるにつれてシーナの動きは鈍くなりがちなので、少しは見習って働かなくては。

シーナ

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