ミクロの彩色 ~GIMPを使って電子顕微鏡のモノクロ(白黒)画像をカラーに~


皆様こんにちは。シルラボのサボり魔ヤギーです。
光陰矢の如しといいますか、歳月人を待たずといいますか、月日が経つのは早いもので前回の投稿から約3ヶ月が経過してしまいました。そのお詫びというわけでも無いのですが、今日は普段どのようにして電子顕微鏡のモノクロ画像をカラー化しているのか、その作業手順を紹介したいと思います。

この記事を真似して以下ステップで作業すれば、昔の白黒写真をカラー写真にすることだってできちゃいますので、内緒でこっそり作業しておいて、おじいちゃんおばあちゃんの記念日にプレゼント!なんてサプライズもいいかもしれませんね。

モノクロ写真のカラー化手順

  1. モノクロ写真をスキャナ等で取り込み、画像ファイル化
  2. GIMPで画像ファイルを読み込み、この記事を真似してカラー画像化
  3. カラー画像を写真印刷
  4. 完成!

GIMPって何?

GIMPをご存知無い方も大勢いらっしゃるかと思いますので、最初に簡単に説明しておきます。
GIMPは「超高機能なペイント」ソフトウェアで、非常に多くの種類の画像を読み込み、加工・編集(もちろん新規作成も)し、保存することができます。
2015年06月05日現在の最新バージョンは2.8.14、GNU GPLライセンスで提供されており誰でも無料で利用することができます。最近はかなり認知度が上がってきているようで、大きな書店のPhotoshop関連本が並んでいるあたりにいくと、GIMPの解説本が一緒に並べられていることが増えてきました。
シングルウィンドウモードのGIMP

というわけで、タイトルにもあるように今回はGIMPを使ってモノクロ画像をカラー化しますが、GIMPの基本的な使い方はここでは解説しません。そのあたりは丁寧に解説しているサイトが沢山ありまるので、「GIMP 基本 使い方」「GIMP 初心者」「GIMP チュートリアル」等のキーワードで検索してみてください。

それでは前置きはこれ位にして本題にはいりましょう。

カラー化手順

今回色をつける(彩色)する画像はこれです。トマトのおしべと花粉の電子顕微鏡(SEM)の画像ですね。
今回彩色するSEM画像、トマトのおしべと花粉

画像の読み込みと画像モードの確認(変更)

GIMPで対象画像を読み込んだら、まず最初に画像モードを確認します。
具体的には、上部メニューから「画像」をクリックし、ドロップダウンメニューが開いたら「モード」上にマウスを移動して「RGB」が選択されているか確認します。もし「グレースケール」や「インデックスカラー」になっていた場合は、忘れずに「RGB」に変更してくださいね。
(GIMPで色がつかないほとんどの原因はこれです。「グレースケール」や「インデックスカラー」が選択されたままだと、たとえ青や赤の色が選択されていても思った通りに色がつきません。)
GIMPの画像モード確認方法 RBGが選択されていないと色がつきません。

レイヤーグループの追加

画像モードの確認をしたら、上部メニューから「レイヤー」をクリックし、ドロップダウンメニューが開いたら「新しいレイヤーグループ」をクリックします。
GIMPの新しいレイヤーグループ追加方法

新しいレイヤーグループが追加されると、このようにドックのレイヤーウィンドウに「レイヤーグループ」が追加されます。
レイヤーグループが追加された状態

レイヤーの複製

レイヤーグループを追加したら、最初に読み込んだ画像レイヤーを右クリックして「レイヤーの複製」をクリックします。
レイヤーの複製

レイヤーグループに追加

画像レイヤーが複製されたら、複製された画像レイヤーをドラッグして「レイヤーグループ」上に移動してドロップします。
複製した画像レイヤーを「レイヤーグループ」に重ねます

こんな感じになればOKです。
レイヤーグループに追加した状態

レイヤーマスクの追加

次は「レイヤーマスク」の追加です。先程「レイヤーグループ」に追加した画像レイヤーを右クリックし、「レイヤーマスクの追加」をクリックします。
レイヤーマスクを追加

「レイヤーマスクを追加」ウィンドウが開いたら、「レイヤーマスクの初期化方法」を「完全透明(黒)(B)」に変更して「追加」ボタンをクリックします。
レイヤーマスクの初期化方法

正しくレイヤーマスクが追加されると、ドックの「レイヤー」ウィンドウが以下スクリーンショットのようになります。
レイヤーマスクが追加された状態

色をつけたい箇所の塗りつぶし

レイヤーマスクの追加が終わったら、先程追加したレイヤーマスク(下のスクリーンショットの赤枠で囲ったレイヤー)をクリックして選択します。
レイヤーマスクを選択

レイヤーマスクを選択したら、色をつけたい箇所を白で塗りつぶします。
このとき、一度に全て塗りつぶす必要はありません。とりあえず色が確認できる程度の領域を塗りつぶせばそれでOKです。後からいくらでも修正できるので、適当に塗りつぶしちゃいましょう。
(今回は花粉を一粒塗りつぶしました。)
見た目には色がついているようには見えませんが、それで正しいので気にせず作業してください。
色をつけたい箇所(花粉)を鉛筆ツールを使って白で塗りつぶしていますが、見た目には何の変化もありません。

カラーバランスを変更することで色をつける

色をつけたい箇所の塗りつぶしが終わったら、レイヤーマスクの隣の画像レイヤー(下のスクリーンショットの赤枠で囲った画像レイヤー)をクリックして選択します。
画像レイヤーの選択

画像レイヤーを選択している状態のまま、上部メニューから「色」をクリックし、ドロップダウンメニューが開いたら「カラーバランス」をクリックします。
メニューからカラーバランスを選択

「カラーバランス」ウィンドウが開いたら、「色レベル」の調整欄にあるスライダーを動かしてみてください。スライダーを動かすと、リアルタイムで先程塗りつぶした部分の色が変わるのが確認できると思います。
望んだ色になったら「OK」ボタンをクリックしてください。
カラーバランスのスライダーをイエロー寄りに変更したところ、先程白で塗りつぶした花粉の色が黄色に着色されました

一度ここまで作業を進めると、以後そのレイヤーは色をつけたい場所を白で塗りつぶすだけで色が変わりますので、同じ色にしたい部分をどんどん塗りつぶしていきましょう。
こんな感じで色ごとに新しいレイヤーグループを作成して先程と同じ流れで作業を進めます。
(少し慣れてきたら、単純に白で塗りつぶすのでは無く、グラデーションを使うとまた雰囲気が変わるのでお勧めです。)
花粉の着色完了

はみ出してしまった箇所を修正したい時は

実際に作業してみると、手が滑ってしまったりしてはみ出してしまうことがあります。
そんな時は黒で塗りつぶしたレイヤーマスクが選択されている状態で、鉛筆ツールを使ってはみ出した箇所を黒で塗りなおします。ちなみに、消しゴムで消そうとしても全然消えませんので間違えないようにしてください。
はみ出した場所を修正したい時はこんな風に黒で塗りなおします

レイヤーグループ・レイヤー名の変更

そうそう、最初はいいのですが、レイヤーグループが増えてくると、どのレイヤーグループが何に対応しているのかわからなくなってきます。それを防ぐためにもレイヤーグループの名前を自分のわかりやすいものに変更しておきましょう。
レイヤーやレイヤーグループ名の変更方法ですが、対象を選択した状態で「F2」キーを押すか、右クリックから「レイヤー名の変更」を選択し、テキストが入力できる状態になったら新しい名前を入力して「Enter」キーを押せばOKです。
レイヤーグループ名・レイヤー名の変更

一度決めた色を調整・変更する

一度決めた色を後になって変更する場合、最初に色をつけた時と同じようにメニューの「色」から「カラーバランス」を変更してもうまくいきません。ではどうすれば良いかというと、現在の色を無視して着色しなおしたい場合は「カラーバランス」ではなく、メニューの「色」から「着色」を選択します。
なお色は「色相」のスライダーが、色の濃さは「彩度」のスライダーが、白っぽさや黒っぽさの調整は「輝度」のスライダーが対応していますので、この3つのスライダーをうまく調整してください。
一度決めた色を後から変更するには

また、現在の色をベースにして微調整したい場合は、メニューの「色」から「色彩-彩度」を選択します。
色の調整方法は「着色」と同じ要領ですので、うまくバランスをとってください。
色を微調整するには

作業状態の保存と画像として出力

これまでの作業状態を残しておきたい場合は、上部メニューから「ファイル」をクリックし、ドロップダウンメニューが開いたら「保存」をクリックして、名前をつけて任意の場所に保存(GIMPの作業ファイルの拡張子は「.xcf」です)します。次回作業を再開する際は、先程保存した「任意の名前.xcf」ファイルをGIMPで開けばOKです。
また、画像ファイルとして出力したい場合は、メニューの「ファイル」から「エクスポート」を選択します。デフォルト状態では、保存の際につけた拡張子を元にしてファイルを出力する設定になっていますので、ファイル名を「任意の名前.png」とすればpngファイルとしてエクスポートされますし、「任意の名前.jpg」とすればjpgファイルとして出力されます。どのファイル形式が最適かはケースバイケースですので色々試してみてください。
画像ファイルとして出力

完成!

というわけで、完成した画像はこちらです。
今回は渋めの配色にしてみたのですが、いかがでしょうか。
トマトとおしべの花粉

最後に

今回はいつもと違った視点からお送りしましたがいかがでしたでしょうか。
先日ふと気になって調べてみたところ、photoshopを使ってモノクロ(白黒)画像をカラー化するチュートリアルはいくつかありましたが、GIMPユーザー用のものを見つけることができなかったので我流の手順を紹介してみました。「この作業無駄だよね」ですとか「こうしたほうがもっと簡単だよね」というご指摘や、ご不明な点などがありましたらコメントをお願いします。

そうそう、大事なお知らせが抜けていました。
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お問い合わせはこちら

それでは、今日のところはこのあたりで失礼します。

今回の記事はシルラボのサボり魔ヤギーがお送りしました。
なお、次回更新の時期は明言できません。だって私はサボり魔ですからね。

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ヤギー

ヤギー

<お仕事>シルラボのweb担当   <専門> web系エンジニア  <趣味>ネット、Androidアプリ開発、自転車、将棋、写真  <特徴>燃えあがれ!我が内臓脂肪!!
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